J組がむしゃらら

日々のジャニーズあれこれ。舞台、コンサートを中心に映画、DVDもeveとその友人、ざっきちゃんとロンさん三人のジャニーズへの思いをつづっていきます。

東宝ミュージカル『エリザベート』悲劇の皇太子ルドルフ、京本大我君が大きく成長して戻ってきた。

 

サマステが入ってきて、レポは前後しますが、京本大我君出演、東宝ミュージカル『エリザベート』を観劇してきました。今年も注目は黄泉の帝王トートの城田優君と井上芳雄君と京本大我君の関係性についてです。ダブルキャストということで、キャラクターの異なる二人が同じ役を演じると、全く解釈の変わった世界観が見えてきます。物語の中で、この世にあって、トートと関係を持っていくのが、エリザベート皇后、暗殺者ルイジ・ルキーニそして、エリザベートの息子であるルドルフ皇太子です。昨年に引き続き、悲劇の皇太子を演じる京本大我君がどう成長をしているのでしょうか。ルドルフの立場からミュージカル「エリザベート」をみていきます。

 

 

 死に愛された母エリザベート。死を愛するしかなかった息子ルドルフ

エリザベートは窮屈な宮廷生活にありながらも、自由に自分の思い描く家庭生活を手に入れようとしていましたが、姑であるゾフィー皇太后に初夜チェックから始まり、子供の世話まですべてを管理されていきます。夫は超のつくマザコンで頼りにならず、姑の確執は深まるばかり。自分の美しさが政治の役に立つことが分かり始めたエリザベートは公務で夫に協力する代わりに、宮廷での自分の自由を手に入れます。結局、エリザベートは自由を手に入れたにも関わらず、息子の育児を放棄し、親子らしい生活を送ることはありませんでした。

 

母親を求める幼いルドルフに、強くなければいけないと教えたのは祖母であるゾフィーでした。「陛下はひ弱すぎる」と言われ、剣術の稽古を強いられるルドルフ。広い宮殿の中で、理解してくれる存在はなく、ピストルで猫を殺す子供に成長していきます(かわいい少年が歌いながらいう)。トートは「死である自分を愛し、受け入れるまで、エリザベートとの関係を育てていく」過程の中で、ルドルフに出会います。トートにとってルドルフは「エリザベートから最愛の息子を奪い」、自分への愛(死)を深めることための手段ですが、ルドルフにとって、トート(死)は友達であり、唯一の救いでした。母親の愛を知らない彼はトート(死)が一緒にいて、見守ってくれることで、生きる希望を見出したのです。ルドルフは、帝国の反抗勢力に加わり、テロを起こし(すべてトートの差し金)、逮捕され、蟄居を命じられたルドルフはそこでやっと母エリザベートと対面をします。「父に許しを請うて欲しい」と懇願する息子を冷たくあしらうエリザベート。理解してくれるとばかり思っていた母親に拒絶され、トートから渡されたピストルでルドルフは死んでいきます。

 

 

死と同化する悲劇の皇太子ルドルフ

宮廷で一人孤独に生きてきた少年ルドルフは、一緒にいてくれるといってくれたトートと友達になっていきます。母であるエリザベートはトートに惹かれながらも、決してもろ手をあげて愛すことはなかったのだけれど、ルドルフにとって、トートはうけ入れる全てであり、常に一緒にいて、最後には、トートと同化することに最高の喜びを感じていきます。昨年に引き続き、ルドルフを演じている京本大我君ですが、歌唱力もアップし、生まれながらの高貴さと悲劇を呼び込むだけの心の弱さといった『悲劇の皇太子』の解釈がより深まりました。

 

雰囲気トートか、関係性を掘り下げるトートか

城田優君と井上芳雄君のトートは基本的に解釈が違います。城田優君は黄泉の国の背景を常に背負っている、『俺、黄泉の皇帝だから』アピールの強いトート。現世に現れながらも、一目みて、常人ではない、特別耽美な世界の中にいる人の感じが強いトート。同じシーンにいても城田君のところだけ違う空気が流れています。対して、井上君はエリザベートを口説き落とすことに自分のパワーを集中させているトートです。井上君は生きているエリザベートと死の国の自分を対比させることで、黄泉の国というものを表現しています。生きているエリザベートはなかなか落ちません。死と並べるからこそ、エリザベートの生きている姿が鮮やかに描き出されます。エリザベートが強く生きるからこそ、井上君の死の闇が深く濃く描かれていきます。

 

 

京本大我君が成長を見せた、トートへのキス

この二人のトートの違いの中で京本大我君も演技が変わっていきます。城田君が放つ、耽美で魅力的な黄泉の世界の雰囲気に知らず知らずのうちに吸い寄せられていきますが、井上君とは友達という関係性が育つ中で、死というものを前向きに(?)受け入れていくのです。それが最もよくわかるのは、死の直前のキス。城田君にはフラフラと吸い寄せられるようにキスをするのに対し、井上君とのキスは、井上君との関係性が完成して、ついに次のステージにいけるんだという喜びの中で、意思をもって、自らキスをしていきます。滝沢歌舞伎ではアドリブの素晴らしさを見せつけた大我君ですが、ミュージカルスターとしても驚異的に、どんどん成長しています。ぜひまた『エリザベート』の世界に戻ってきて欲しいものです。

 

恒例の京本大我君@エリザベートNo.3

それではキス以外の京本大我君のNo.3をご紹介

No.3 秀逸なパンフレット

 

とにかくパンフレットの京本大我君がかっこいい。あの皇太子ジャケットを着ていると、見た目だけでもほぼ皇太子です。そして京本君の紹介文に『滝沢歌舞伎2016』が入っています。ここでどんなにアドリブ王子だったかも書いてほしかったよ。紹介文これだけじゃ短すぎるよ。

 

No.2 ほこりをかぶったルドルフ
一幕最初の場面でエリザベートの死んでいった関係者が黄泉の国から出てきて歌うシーンがありますが、黄泉の国から出てきた体裁で頭にほこりをかぶって出てくるルドルフ。大勢の中の一人として、アンサンブル的に出てくるのですが、たくさんにいてもちゃんと目立つ高貴なルドルフ感を出しています。ルドルフはほとんど二幕ですが、一幕にもちゃんと出ています。

 

No.1 死ぬ直前のジャケットを抜いた時に見せる白いシャツ

なんといっても、死の直前、ジャケットを抜いで、シャツになるところ。ジャケットはカッチリしているのに、中のシャツは袖がふくらんでいて、王室感があるところ、社会的な役割を脱ぎ捨てて、ルドルフ個人として、心が裸になった状態でトートキスをするという意味でも、このシャツシーン(どんなシーンなんだ)がぶっちぎりの一位でしょう。

 

結局、キスのシーンが一位ということでした。それにしてもキスシーン、みんなが、息をひそめてオペラグラスを構えるというところで、会場の一体感が生まれるのも好きです。

 

来年も観たいな『エリザベート』。次回を楽しみにしています。

 

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