京都南座を経て、ついにホームグラウンドである新橋演舞場に戻ってまいりました。前回は8人で出演していたSnow Manにラウールが加わり9人体制でスタート。今回もネタバレで全開で行きますので、まだご覧になっていらっしゃらない方はご注意ください。
構成はほぼ京都と同じ内容。しかし大きな違いが
今年の2月、歌舞伎発祥の地、京都にてスタートした『滝沢歌舞伎ZERO』。そちらのレポの模様はこちら
1部が和のエンターテイメントショー(滝沢歌舞伎を含む)
2部鼠小僧
の構成になっています。
京都のレポにも書きましたが、「滝沢歌舞伎らしさとはなにか?」に向き合い、そぎ落として基礎となる土台を作り上げたのが今回の『滝沢歌舞伎ZERO』になっています。
京都と新橋の違い
ほぼ構成が同じと言いましたが、見える印象は大きく変わっています。それは
- ラウールというピースが演じる大きさ
- 林翔太君が主演舞台からの滝沢歌舞伎への合流
- 谷村君をはじめとする東京Jrが登場
- 二幕鼠小僧がミュージカルっぽくなってる
まずはなんといってもラウール。
この度エンドクレジットをみたところ、村上真都ラウールから、ラウールへと名前が変わっていました。ISLAND TVでもプロフィールで改名されているそうです。ルイス・ジェシーからジェシーに改名されたような感じでしょうか。ラウールのほうがぱっと目に入りますよね。
単独公演でそのスタイルとひたむきなダンススタイルで会場を湧かせていたラウールですが、今回もSnow Manのセンターの一人としての存在感をアピールしています。のちのレポでも書きますが、Snow Manという経験を積んでいるお兄さんのチームに入り、実力の差を見せつけられるの中、必死に食らいついていく姿が神々しくもあります。まだまだ未完成だからこそ、これからの伸びしろを感じるラウール。この公演の中でも大きく成長していくことを予感させてくれます。
9人のSnow Manが単なる3人のメンバー追加ではなく、大きく羽ばたくための根本的なグループの変化を求められているとすれば、ラウールが大きな影響力を与えていることは間違いありません。それほどまでにSnow Manが大きく動いていることを感じさせてくれます。この点もレポで述べます。
そして林翔太君
この一年多くの舞台をこなしてきた林君。満を持して、滝沢歌舞伎に戻ってきました。俳優、林翔太が恐ろしい変貌を見せてくれています。一年間、バックダンサーとしての林翔太を捨て、自分を輝かせることに集中してきた、はやっしーにしかできないパフォーマンスを見せてくれています。
谷村 is back。
谷村君のパーソナリティは滝沢歌舞伎の必須要素。やはり観客の笑いをナチュラルに誘ってくれます。関ジュに変わり、滝沢歌舞伎に新たな東京のメンバーも加わっています。
突如ミュージカルがねじ込まれています
鼠小僧部分、ミュージカル調になる部分があります。少年たちの影響か?
第一幕
オープニング
ほぼ京都と同じです。
Snow Man個人のシルエットと名前がスクリーンに浮かびあがる
いつものシルクドソレイユ風の人が滝沢歌舞伎の世界にいざなう。
前列新生Snow Man、後ろに組まれた骨組みにぶら下がっているJr.達。
オープニングタッキ―登場の曲に女性のハミングが加わって流れる
がんちゃんの「春の踊りはよーいやさ~」で幕切れ。
大量の花吹雪
ひらりと桜
桜色の衣装を身にまとったSnow Man新曲。
京都公演を経てこの曲を自分たちのものにしてきた自信が見えます。
歌割
がんちゃん→ふっか→あべめぐ(やだここ、めっちゃかわいい)→さくだて→なべジーコ→ラウール
がんちゃんでスタートし、ラウールで〆る。この二人を軸にSnow Manが新しい色を見せてくれるワクワク感が一曲目であふれ出ます。
Snow Manの衣装の一部のさくら色のうすぎぬが取り外され、それをもって舞うJr.達。まさに桜が舞う様が表現されています。
がんちゃん挨拶
恐悦至極に始まる、がんちゃん挨拶。タッキーのバックではなく、座長としての自信が感じられます。
組曲
滝沢歌舞伎の組曲。
花道と舞台からSnow Man。
なにかを探しているSnow Man
そして二階にいるシルクドソレイユさんにコントロールされながらも自分達らしく生きようと対峙するSnow Man
今のSnow Manを表現するようなストーリー仕立ての躍動感あふれる群舞になっています。
林君も加入されたこの群舞、林君のシンメの関係にあるのはできジュでおなじみ影山君。Snow Manをささえる安定シンメです。
もがき苦しみ、破壊の後に見える希望というストーリー。
ラウールの表現力は15歳の今しかできないダンス。完成形ではないけれどこのメンバーの中でこれだけ堂々できるラウールはやはり逸材です。
殺陣(モノクロ)
この部分の幕切れはシャド山君
花道のすっぽんから登場して、内容を説明するのですが、セリフ回しにどろどろとした斬り合いのすさまじさが加わり、この短い時間で演技力が磨かれているいるのが瞬時にみてとれます。
Snow Manはそれぞれの見どころを突き詰めています
戸板崩し
だてさま、あべちゃん、ふっか。ここは京都と変わっていません。戸板は一歩間違えば大怪我をする大技。変わらない緊張感が張り詰めます。
ふかさくの一騎打ち
この二人の切り合いのテンポの気持ちよさ。二人の間に生まれる熱量に引き込まれます。無限に観ていられます。
阿部ちゃんとJAEさんのワイヤーアクション
今までの阿部ちゃんはこういう時にあまり大きな見せ場がなかったのですが(ごめん阿部ちゃん)今回はJAEさんがワイヤーですっ飛ばされる派手な演出の中心にいます
だてアクロ→シャド山君の壮絶な斬られ方
殺陣の間にもちゃんとアクロを入れてくるだて様。殺陣に重みがありながらも派手で新しい見え方を提案してくるだて様はさすがです。そして斬られるシャドの演技力MADE秋山大河君を彷彿させる、見事な斬られっぷり。こういうとこだよね、できジュって。
変面
京都から変更なし。↓以下京都レポ抜粋
ロックな音楽にステンドグラスの背景という組み合わせ。そこに三人のマスクの男の登場。
本庄さんと女性ダンサーズとともに瞬時に変わっていくマスク。
現れたのはがんちゃん、めめ、ジーコの三人。
敢えて奇をてらわず、通常営業の(?)変面。身長がそろっていてマスクマンたちのマスク取った時の美しさがみどころ。
Maybe
ここの部分は京都になかった部分
前奏聴いただけで脳みそが沸騰します。ここ数年の滝沢歌舞伎を支えてきた一曲を、Snow Manが継承しています。
上手ふっか、下手あべちゃんが舞台のふちに座り歌い、
ラウールと佐久間君が舞台中央の盆に乗って回転しながらのダンスパフォーマンス
健くんのもとで滝沢歌舞伎の演目として育てられたこの曲を振りから歌唱スタイルから全く変えた新解釈で新しいパフォーマンスとして作り上げています。
なによりも度肝を抜かれたのはラウールの踊り。表現したい気持ちがあふれ出ていて観ているものの視線を全部かっさらうような強さを持っています。そしてそんなラウールをメインではなく後ろで支えるさっくん。全力で健君を追いかけていたMaybeから、後輩を見守りつつ、新しいMaybeの世界観を作っていくのはさっくんしかできない仕事です。ふっか、あべちゃん、ラウール、さっくんのフレッシュな組み合わせで、今後Maybeが公演中にまだ成長していきそうです。またこの件レポしていきたいと思っています。
My Friend
こちらも京都と変化なし。
太鼓
冒頭の二階からのオープニング太鼓は上手が横原君、下手が影山君
影山君の気合十分でありながら、横原君をリードする冷静さも持ち合わせているのはさすができジュ(本日三回目!)
太鼓も基本的な構成に変化はありませんが、
手前より上手がんちゃん、下手ふっか
一列奥に 上手ラウール、下手渡辺君
一列下げて列上手阿部ちゃん、下手だて様
上手 林、拓音、鈴木大河、松井奏
下手 谷村、佐藤新、基、椿
新メンバーが必死にくらいついていこうとする姿がムネアツ。メガ太鼓の回転スピードこんな速かったでしたっけ?驚くほど高速でザワザワします。
DANCE 『Make It Hot』
Snow Man新曲
京都と構成は同じ(京都レポ参照ください)ですが、ラウールが入ってまた熱量が増えています。ラウールが入っても高身長なSnow Man。ラインダンスを見ると目頭が熱くなります。
番頭林翔太登場―五条大橋
ここでスーツのはやっしー登場。
去年ははっぴで谷村をひきつれていたのに、今年は一人で化粧前シーンの語り部を担っています。
滝沢歌舞伎の歴史から五条大橋の説明を始めるはやっしー。相当に長ゼリフです。
五条大橋の話から、突如一人芝居を始めるはやっしー
下手通路から弁慶の影山君
上手通路から牛若丸の佐藤新君登場
二人のセリフをはやっしーが語り、演じるのは二人という、人形浄瑠璃のようなスタイル。
はやっしーの一人芝居は滝沢歌舞伎の注目演目ではあったのですが、今回はレベルが違います。宇宙Sixを脱退して、一年。バックダンサーとしての立ち位置を捨て、自分を輝かせる主演舞台での経験がいかされています。観客の視線を掌握するパワーが強い。
五条大橋をバックに歌うはやっしー
弁慶、牛若、歌の3役というフル回転。
紗幕の向こうではフライングしている牛若を背にセンターで歌うはやっしー。その上手基君、下手に椿君が踊ります。この演目、はやっしー主演でお送りしております。
ここからが滝沢歌舞伎
化粧の顔がスクリーンに映し出され、羽織袴に早着替えをしたはやっしーが滝沢歌舞伎の概要を説明します。
五右衛門ZERO
ほぼ京都と同じですが、ふっかとともに捕り手にラウールが加わっています。
だて様と五右衛門がんちゃんの刀投げも決まっています。
桜の舞
渡辺君、さっくん、あべちゃん三人の舞。
さっくんの女形の完成度はさすがですが、あべちゃんの女形が色っぽくなっていました。阿部ちゃん女形進化中です。
総踊り
こちらも京都とほぼ変わりません。
横原君のタップも健在でした。
そしてバックに流れる女の人の歌声が気になるのは変わらず。
せめて歌なしかJr.の歌声であって欲しい。滝Pお願いします。
第二幕『鼠、満月に散る~望んでいたのは笑いあり、涙なし~』
あらすじ
鼠小僧が江戸の街から姿を消した。盗みに入ったところを追い詰められ、川に飛び込んだ鼠はそこから行方知れずになった。江戸の人々は鼠小僧の死(たぶん死んだであろうということで)を悼んで葬式を出していた。街は活気がなくなった。街の人々だけでなく、鼠を追いかけていた徳俵(宮舘涼太)や人形町のしん吉(岩本照)達も生きがいをうしなっていた。そんな江戸に義賊ではなく、押し込み強盗官兵衛(向井康二)と半兵衛(向目黒蓮)が人切り伊蔵(ラウール)を引き連れて現れるようになる。荒れていく街をみたお丸(深澤辰哉)はしん吉に二代目の鼠小僧になって欲しいと頼む。
伊蔵は妹を殺され盗みに入るようになったが、官兵衛と半兵衛のやり方で本当に幸せになれるのか自分に問いかけていた。ねずみさんのいない、この暗い江戸でしん吉と伊蔵がすれ違う時、目と目があう。
押し込み強盗が再び現れる時、しん吉、お丸、徳俵は押し込み強盗と対決をする。官兵衛半兵衛と行動を共にしていた伊蔵もしん吉と刀を交えることになるが。。。
対決をみた、あの人がついに?!
ラウールが問う、笑いある江戸の街
京都では、押し込み強盗がはびこる江戸の街に二代目の鼠小僧が生まれる瞬間までを描くストーリーでした。新橋では、すさんだ街で心に傷を負った少年、伊蔵が加わっています。伊蔵は妹を殺され仕方なく押し込み強盗の一味に加わることとなりますが、彼の根底にはいつも死んでしまった妹が幸せに生きられる社会を考えており、官兵衛たちの考えにいつも疑問を持っています。
そんな時、伊蔵はすれ違うしん吉をみて、今の生き方から抜けられのではないかという気持ちになる。しん吉は頼れる目をしていたのです(きっと)この人に自分の生き方を託したい。京都の時は漠然とした江戸の街のために二代目鼠小僧になる決心をするしん吉ですが、今回は人切り伊蔵とのやりとりがあってなお一層、鼠小僧として明るい江戸の街への思いが強くなる。しん吉と伊蔵の関係はこの公演を通じて強まっていくものと期待しています。
東京Jr.の新キャラ登場
なんといっても今回の新キャラの筆頭は谷村君の謎の辮髪(べんぱつ)チャイニーズでしょう。もうね、谷村君の一挙手一投足で会場がざわめくという、美味しいキャラを爆発させています。谷村君がいると滝沢歌舞伎だなと実感しますね。
そして京都から引き続き出演中の基君がお丸の茶屋での会話でのセリフが多くなっていてうれしい限り。基君も滝沢歌舞伎の顔になってきています。
そして今回、はなたれ小僧の役で登場するのが松井奏君。京都では今江くんがやっていた役で、話せばお丸さんに「うるさい小僧!」と罵倒される役ですが、罵倒された後の弱々しいリアクションがツボです。松井奏君の小僧これからも観ていきます。
WITH LOVE
京都とほぼ同じです。
がんちゃん→阿部ちゃん→めぐ→ふっか→渡辺君→だてさま→さっくん→じーこ→ラウール→Jr.の順で登場
ラウールが歌割に入り新生Snow Manがこの曲を完全に引き継いでいます。
本日の独り言
- 初日の阿部ちゃん天気予報はこちらです。
- 腹筋太鼓は男らしさの凝縮系としてのパフォーマンスなんですが、あべちゃんの髪の毛耳掛けがかわいすぎて、目を奪われました。
- 阿部ちゃんの話ばかりですが、猫の阿部蔵の動きに磨きがかかっています。
- 金之助が令和ネタぶっこんで来ました。ゼロとレイをかけて、時代が追い付いてきたというネタ。今年も金之助さんのアドリブ楽しみです。
- 徳俵さんが「21歳から鼠を追って18年」ってセリフがあるんですけど、単純計算で39歳なのね徳俵さんは
作品データ
タイトル |
滝沢歌舞伎ZERO |
製作年 |
2019年 |
上映時間 |
約2時間40分(休憩30分) |
作・構成・総合演出 |
ジャニー喜多川 |
演出 |
滝沢秀明 |
出演 |
Snow Man 岩本照、深澤辰哉、ラウール、渡辺翔太、阿部亮平、宮舘涼太、佐久間大介、向井康二、目黒蓮 林翔太、影山拓也 谷村龍一、横原悠毅、林拓音、佐藤新、椿泰我、基俊介、鈴木大河、松井奏
本庄千穂
竹内菜那子、山口緋奈子、石田幸、松本里絵、、川村理沙、今村ゆり子
東慶介、久保悠貴、三上真司、佐渡山貴仁 |