J組がむしゃらら

日々のジャニーズあれこれ。舞台、コンサートを中心に映画、DVDもeveとその友人、ざっきちゃんとロンさん三人のジャニーズへの思いをつづっていきます。

3/14今井翼君主演、七五三掛龍也君出演『マリウス』-フランス版、『男はつらいよ』。フラメンコで人生を語る男、今井翼君。磨かれていく魂がフラメンコ。ベトナム語で“愛している”をいう子犬のような七五三掛龍也君

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今井翼君主演の『マリウス』を観てきました。『男はつらいよ』の寅さんでおなじみ、山田洋次監督の舞台演出作品。どうしてもマリウスというとSexy Zoneのほうを想像してしまいますが、むしろ真逆な大人の世界が広がっていました。今回相当にネタバレしますので、まだご覧になってない方はご注意ください。

 

 

 

 

あらすじ

1931年の港町マルセーユ。セザール(柄本明)が経営するカフェ・ド・ラ・マリーヌにはなじみの客がのんびりと過ごしていた。息子のマリウス(今井翼)はいつも朝寝坊だ。跡継ぎなのにボーっとしているマリウスをしかりつけるのがセザールの日課である。町で魚介を売る市場で働く19歳の娘ファニー(瀧本美織)は幼馴染のマリウスからプロポーズされるのを待っているのだが、マリウスは海を眺めるばかりでいっこうに二人の関係に進展はない。町の名士パニスの旦那(林家正蔵)は奥さんを亡くし、後妻を探していた。美しいファニーを後妻に考えていたのだが、ファニーはもちろん首を縦にはふらない。一方、海の向こうの世界にあこがれ、マリウスは船乗りになる手はずを整えていくが、パニスがファニーにプロポーズをしたと聞いて、マリウスは初めて心の動揺を抑えきれなくなる。二人は気持ちをぶつけ合い、結ばれる。マリウスはすっかり、船乗りの夢をあきらめ、カフェを継ぐことを決心するのだが、ファニーはそれが本心ではないと分かったうえで、マリウスを送り出す。逃げるようにしてマリウスが海に出た後、ファニーは妊娠していることがわかる。パニスはすべてをのみこんだ上でファニーを迎え入れる。

 

一年半後、マリウスはマルセーユに戻ってきた。カフェ・ド・ラ・マリーヌには変わらない日常があった。セザールの体を気遣い一時的に町に戻ってきたマリウスのことは小さな町にすぐ知れ渡り、一年半ぶりにファニーに会う。結婚をしたファニーは子供と穏やかに暮らしていた。なによりもパニスは子供をかわいがっていた。マリウスはファニーの結婚を裏切りだとなじるが、子供の顔は自分によく似た顔つきの子供だった。もう一度やり直したいと申し出るマリウス。ファニーはマリウスの気持ちにどう答えるのだろうか。

 

 

山田洋次監督の原点ともいえる作品

マルセーユに広がる人間関係はなぜだか異国にいながら、人情の塊。まさに寅さんの実家、柴又にも似た、お節介が多くて、めんどうくさい、だからこそほっとする町。人情たっぷりの話になっているのはもちろん山田洋次監督の脚本のおかげです。しかし、驚かされるのは、日本人特有だと思っていた「言わずに身を引く」という考え方がマルセーユにあるということ。瀧本美織ちゃん演じるファニーは愛する人のために、結婚したい気持ちを抑えて、マリウスを船にのせます。自然な会話の中に一緒に生きる人々への愛情が詰まっています。特に瀧本美織ちゃんのセリフには好きだからこそ、その人の思い通りにさせてあげたいという無償の愛にあふれています。マリウスがプロポーズしてカフェを継ぐと覚悟の宣言をしたときに「(カフェの仕事は)あなたの一生を投げ出すことなの?」と問いかけます。それを言ったら、マリウスの心は騒いでしまうというのに。愛することは一緒にいることではなく、愛する人が幸せでいること。愛の国フランスにはこんな大人な恋の物語があるのです。瀧本美織ちゃんの台詞回しが古風で、昭和の女優のような風格が漂っているのも山田演出のおかげですね。

 

 

 

翼君の魂が爆発するフラメンコ

翼君の舞台と言えば前回の『GOEMON』が昨年、10月にあったばかりですが、今回も見どころ満載です。『GOEMON』で記憶に残るフラメンコを見せてくれた翼君ですが、今回はフラメンコを通したマリウスの心情の変化にご注目を。

  • 漠然と海に出たいマリウス

マルセーユには若者が集う「タスカード」という場所があって、そこでマリウスは踊っているようです。そのたまり場に行くのを忘れるほど、マリウスが海に出たがっていることをファニーは心配しています。みんながあなたの踊りを見たがっていたのにと言われ、翼君はフラメンコを踊ります。ファニーとともに踊る翼君の姿は、人気の踊り手らしく“惹きつけて魅せる”フラメンコです。

  • 海への抑えきれない衝動を抱えたマリウス

そして中盤にあこがれのアンダルシアを想って踊るフラメンコはもうこの町にはいられないほどに海に出たい衝動のはけ口としての踊りです。セリフはなくても全身でマリウスの焦燥感を発散させています。

  • 海の男、座長としての大きな器を魅せるマリウス

ラストで踊る翼君に海でもまれた強さとファニーとの強い結びつきを感じて生きる大きな男として、そしてなんといっても、この舞台の座長として強い輝きを放ちながらフラメンコを踊ります。

 

翼君がフラメンコを踊るというのはファンとしてはうれしいのですが、なんとなくな観客サービスで終わることなく、この物語の根幹として、マリウスのコアな部分を背負って踊る翼君に圧倒されます。フラメンコは単なるパフォーマンスではなく、翼君の迷いから衝動、そして成長していく心の変化そのものを表現しているからです。魂を燃やし、激しく揺れ動く時期にしか生まれない踊りが翼君から紡ぎだされます。それこそ観客をひきつけてやまない翼君の踊りなのです。

 

初外部出演の七五三掛龍也君。過酷な人生を生きているのに愛でバラ色なしめちゃんにガンガンゆさぶられる

翼君の卓越した踊りとともに、震えてしまったのが七五三掛龍也君のプティの可愛さ。プティは渡し船の船長(やはり柴又っぽいよね)に拾われ、育ててもらった青年です。辛くても、船長への恩義を感じていて、船長のお手伝いをしながら生きています。そんな彼の心に火をつけるのが、ベトナムからやってきた花売り娘です。花売り娘を想ってソロで歌うプティ。「イギリスだとI love you  ドイツだとIch liebe dich…..ベトナムだとAnh rất yêu em」色々な国の言葉の“愛している”を連ねて誰よりも好きなベトナム娘への愛をベトナム語で歌います。そのソロで歌うしめちゃんのかわいさ。愛を歌う、しめちゃんに心を奪われます。花売り娘を想って、にやにやして、そこからもん絶するしめちゃんを観ながら、もん絶しました。かわいいは正義だね。

 

パンフレットの中で

(山田洋次)監督は、芝居をしないことが大事と仰っていますが、僕にはその意味がまだよくわかりません。キャストの方たち曰く、本番では芝居を足したくなるけれど、いかに引くかが大切なのだと。

 

そんなことないよ、しめちゃん、あたなはわかっている。あなたの動きは、単なる日常の動きをしているのではなく、その動きの中に、船長への感謝が込められていたり、マリウスをお兄さんのように思っていたり、マリウスと同じように海に憧れていたり、凝縮された日常を感じさせてくれます。これから、他の舞台や、山田洋次監督の映画へのチャンスも夢ではないはず。今後このひと月のしめちゃんの成長にも注目です。

 

ラストで、翼君がみんなに囲まれて踊るときにしめちゃんの手拍子が、翼君の盛り上げ役として他の人よりも一つ頭抜きんでている感じで、ノリノリであるところも見どころです。

 

 

本日の独り言


今書きながら気づいたんですけど、ほぼ、しめちゃんの小ネタです。

  • 冒頭にカフェの椅子に腰かけているしめちゃんの背後から、グラスをテーブルに置く翼君。この二人のこのシーン、ステフォにしてほしいです。松竹さんお願いします。
  • しめちゃんが本当に品の良い、渡し船アシスタント。汚れたタオルなんだけど、汗を頻繁にふく姿とか、ツメの汚れを取ろうとしたりする姿に本当はいいとこの坊ちゃんが没落して、捨てられたのではないかと思わずにはいられません。
  • アイアイサーの声が小さいしめちゃんも、見逃せない(たぶん二回くらいいいます)
  • ウィスキーの飲むしめちゃんのピッチが速すぎる。

 

 後半またレポします。

作品データ

製作年

2017年

原作

マルセル・パニョル(『マリウス』『ファニー』より)

演出      

山田洋次

出演

 

マリウス:今井翼

ファニー:瀧本美織

オノリーヌ:広岡由里子

エスカルトフィグ船長:有薗芳記

クロディーヌ:田中利花

ピコアゾー:阿南健治

ボースン:田口守

トト:松野太紀

郵便配達員:北山雅康

プティ:七五三掛龍也

ブラン氏:綾田俊樹

パニスの旦那:林家正蔵

セザール親父:柄本明

藤田善宏、齋藤裕亮、

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