堂本光一君主演の『ミュージカル ナイツテイル 騎士物語』が始まりました。『Endless SHOCK』はジャニーズ舞台として多くの観客を魅了してきましたが、今回はジャニーズの枠組みを超えた、一つのミュージカルの中で光一君がどう輝いているのかについてレポします。ダブル主演となる井上芳雄君とどんな化学反応が起きるにも注目です。
- 『ミュージカル ナイツテイル 騎士物語』あらすじ
- 東宝さん、ありがとう!リアル王子二人の夢の競演。
- 二人の王子のいちゃいちゃぶりが過ぎる。コメディ―としてのナイツテイル
- この物語は、女性が平和を作るというメッセージ
- 本日の独り言
- 作品データ
『ミュージカル ナイツテイル 騎士物語』あらすじ
テーベの騎士アーサイト(堂本光一)とパラモン(井上芳雄)は叔父であるクリオン(大澄賢也)に仕えていた。残虐な叔父のやり方に疑問をもつ二人ではあったが騎士として戦に出ていた。
アテネの王、シーシアス(岸祐二)は戦いに勝って手に入れた女性ヒポリタ(島田歌穂)からなんとか愛されようとクリオンとの戦で夫を殺された妃たちの願いを聞き入れ、テーベと戦いを起こす。
テーベ軍はクリオンを殺し、従軍していた気高きアーサイトとパラモンを捕虜にする。狭い牢屋の中でも二人が希望を失わずに生きてこれたのはお互いの存在が大きい。ある日二人が牢の窓からシーシアスの妹エミーリア(音月桂)を見て二人とも同時にエミーリアに一目ぼれする。
アーサイトは保釈金が払われ、追放の身になり、パラモンだけが牢に残る。二人は別かれ別かれになってしまう。
アーサイトはエミーリオを忘れることができず、追放の身でありながら、偽名を使ってテーベに残る。アーサイトは森の楽団を率いるジェラルド(大澄賢也)の一座に潜り込み、エミーリアの誕生祝賀の出し物に出演する。エミーリアはアーサイトだと気づきながら、アーサイトをしもべにつくことを許す。
牢番の娘(上白石萌音)はパラモンに憧れを抱き、なんとか牢から出そうと画策をする。森の奥に逃れたパラモンは偶然、アーサイトと再会する。再開を喜びながらも最大の恋敵である二人は決闘をすることとなる。
アーサイトとパラモンそれぞれが自分たちの供を引き連れ、正々堂々恋の決闘が始まる。
東宝さん、ありがとう!リアル王子二人の夢の競演。
まず、ここで東宝さんに感謝を述べたいと思います。
W主演で光一君と井上君を選んでくれたこと。
それなら王子だよね。という
この考え方完璧です。
観終わった後「日本に王子っているんだね」というのが一番最初の感想です。
東宝さん。あざーーーーーーーーす。
まずはこちらをご覧ください
はいアーサイト
そしてパラモン
東宝さん。あざーーーーーーーーす。
もうこれだけで、このビジュアルだけで成功を確信しました
王子、王子と言われ続けたものにしか出ない「王子の居佇まい」
どんなに隠そうとしても隠しきれずにしみでてくるノーブルさ。
王子という言葉はでてきませんが、アーサイトとパラモンは国王の甥達なわけで、ということは高貴な血を引くものであることには違いありません。その設定が見事に具現化されています。
全シーンを通して、王子光一君、王子井上君が堪能できますが中でも
- 戦シーンの中でアンサンブルの中にいても、後光を背負っているかのような隠しきれない高貴オーラ
- 牢にとじこめられているイケてない、弱ってる時でさえ出てくる高貴な王子感
二人の王子姿を見ることだけでもお金払った価値を感じます。
しかもね、王子たちの本気の立ち回り そして華麗に踊るというシーンが組み込まれています。高貴な人のアクションほど尊いものはございません。心の中で跪かずにはいられません。
特に光一君に関してはエミーリオの誕生祝の踊りに注目
アイドルが入り混じりながらの王子ダンス。これはひとえに光一君の脇を固める大澄賢也さん一座の本物の踊り場の空気のおかげだと思われます(ジャニーズダンスが悪いとかという意味ではないですが)。正統派のダンスの中で王子の高貴さが強調されます。
二人の王子のいちゃいちゃぶりが過ぎる。コメディ―としてのナイツテイル
パンフレットで演出家のジョン・ケアードさんはナイツテイルを喜劇だとおっしゃっています。
悲劇とは未来のない物語
喜劇とはこの先未来につながる物語
未来を感じさせる物語はそれだけでポジティブで喜ばしい喜劇ですが、
面白いという側面からもコメディーです。
高貴な王子たちがキャッキャ、あははするたわいもないやりとりの部分が極上のコント。SHOCKですでにおなじみの光一君による自虐身長ネタ。高身長の井上君がそのボケにちゃんと乗ってくれているところでまたまた会場が湧きます。お互いのけなしあいが、結局めっちゃ仲いいじゃんとういうコント。ほぼ、オードリー春日、若林のコントです。
ジョン・ケアードさん曰く(パンフレット抜粋)
自己愛に縛られている部分が男性には少なからずあると思う。特にアーサイトとパラモンはお互いになりたい。お互いに恋しているところがあるので。
自分に近しい従弟を通して自分を見る二人。
確かに「俺よりも、お前を愛している」というセリフがあります。
(きゃー)
二幕一曲目の曲、『宿敵がまたとない友』で歌われるように、自分の半身であるようなお互いの存在。アーサイトとパラモンのお互いへの愛情は自己愛に近く、それは恋人への愛よりも確実で堅固な愛と言えるでしょう。
このミュージカルを通して、延々と続くアーサイトとパラモンのいちゃいちゃぶりを(それは確実に恋人になるであろう女性よりもはるかに強い)こそがこの舞台、一番のご馳走です。二幕、テーベの酒場で繰り広げられる『バビロン兵士』という曲。明日決闘が行われる前でもちゃんといちゃいちゃしてくれてます。どんだけ仲いいんだよ。
この物語は、女性が平和を作るというメッセージ
戦にあけくれる男達から一歩引いて、ヒポリタ、エミーリア、牢番の娘は愛する男と平和に暮らすことを願います。そのために、女たちは知恵と美しさを武器に、男たちをコントロールしていきます。
男達の決闘を前にエミーリアの一言
「この勘違いした男たちからは選べないわ!」ときっぱり。
ここで会場がわっと沸きます。男たちのバカっぷりを前にした時の女性あるあるはシェイクスピアの時代から続いているものなのです(設定はもっと昔の物語ですが)
一幕最初の曲『騎士物語』の曲の中に
そう騎士は話はきみの話だ
偉大なスケールすべて真実
昔の話だ 最後の話だ
しくじった時は きみ次第
中略
義務ではないが
きみはもう話の中 話の中 さあ
昔の物語ではなく、現代の自分こそが楽しめるナイツテイルの世界にどっぷり浸りましょう。
本日の独り言
- カーテンコールで演出家のジョン・ケアードさんが出てきました。二回めのカーテンコールでも拍手が鳴りやまず、三度目のカーテンコールで光一さんと井上芳雄君に挟まれた格好でジョン・ケアードさんが登場。本日の公演をみて帰国されるとのこと。ジョンさんどう?と質問する光一さん「How do you feel?」と問いかける井上君。二人の問いかけに「カナシイ~」と寂しさを募らせるジョンさんなのでした(かわいい)。
- 決闘のシーンでアーサイトがパラモンに剣を渡すところ。SHOCKの階段落ちの刀を渡すシーンがバチっと思い出されます。またSHOCKが観たくなる~
SHOCKはこちらからどうぞ
作品データ
タイトル |
『ミュージカル ナイツテイル 騎士物語』 |
製作年 |
2018年 |
公演期間・会場 |
2018/7/25(水) ~ 2018/8/29(水) 帝国劇場 2018/9/18(火)~2018/10/15(月) 梅田芸術劇場メインホール |
上演時間 |
約3時間 (25分間休憩あり) |
原案 |
ジョヴァンニ・ボッカッチョ / ジェフリー・チョーサー / ジョン・フレッチャー/ウィリアム・シェイクスピア |
劇作・脚本・演出 |
ジョン・ケアード |
音楽・歌詞 |
ポール・ゴードン |
日本語脚本・歌詞 |
今井麻緒子 |
出演 |
アーサイト:堂本光一 クリオン・ジェラルド:大澄賢也 ヒポリタ:島田歌穂
青山郁代、石井亜早実、遠藤 令、折井理子 門間めい、小林風花、今野晶乃、杉原由梨乃 知念紗耶、富田亜希、七瀬りりこ、原 梓 藤咲みどり、水野貴以 神田恭兵、小西のりゆき、酒井 航、茶谷健太 寺元健一郎、照井裕隆、中井智彦、西岡憲吾 練子隼人、樋口祥久、広瀬斗史輝、松野乃知 (50音順) |