今年の3月に1500回公演を達成した『Endless SHOCK』が早くも大阪と福岡に戻ってきました。帝国劇場とはキャストが変わり、そこで生まれる化学反応にも注目。特にライバル役が屋良君から内君に変わることでカンパニーに流れる空気が変わっています。今回は福岡公演をレポします。
『Endless SHOCK』あらすじ
あらすじはすでに今年の2月公演でも書かせていただきましたので、こちらご覧ください。
ライバル役が屋良君から内君に変わっています。ふぉ~ゆ~は福ちゃん、ザキさんからたっつん、コッシーに変わっています。
内君最初から光一さんに対する敗北感が出ちゃってる説
実は内君のライバル役を観るのは今回が初めてでした。
歴代のライバルの役の中でも内君。。。恐ろしいほどに弱い(←後々わかりますが褒めてますよ)
過去のライバル役を振り返ると、ライバルは『コウイチと俺』という世界に生きています。視界に入るのはコウイチだけ。パフォーマンスも恋もかなわないけど、負けたくない光一。カンパニーにいながらも熱量高くコウイチだけを見つめるということが多いのですが、
しかし内君のライバル役は
うすうす、というかかなり色濃く「コウイチにはかなわない」という感情がダダ漏れているのです。
ここが大きく屋良君と違うところ。コウイチとパフォーマンスで面と向かって対決するというよりはメンタル後ろ向き全開、コウイチとのスターとしての距離感を最も感じているのが今回の内君です。屋良君の時には、パフォーマンスでとにかくスターの座をむしり取ろうとする敵意を持ち、そこから生まれる、コウイチと屋良の間に走る緊張感がビシビシと伝わってくるのですが。内君にはそれがない。
しかし痛いまでのこの緊張感がないということで、
- コウイチのスターとしての輝きがより純粋に際立つ
- カンパニーがなんとかして内君を盛り立てようとする
という新たな側面を作り出しているのです。
一番目のコウイチの輝きについて
緊張感がない分、光一さんの歌に余裕が生まれたように思われます。張り詰めたダンスシーンよりものびやかな歌にエネルギーが注がれています。
二番目のカンパニーの関係性
文ちゃんこと浜中文一君の演技が屋良君の時とは大きく変わっています。文ちゃんは屋良君の理解者であり続けます(2月レポごらんください)。しかし、後ろ向き全開な内君に対しては文ちゃんは半歩先を歩き、導いているガイドとしての役どころ。自分をかっこ悪く見せても、内君を元気づける文ちゃんの言動に内君は救われていきます。
- りかへの告白。文ちゃんの「言えよ!」と上からの命令に「ううう~」と煮え切らない内君。そんなヘタレ内くんをだっさい告白衣装を着用して見守る文ちゃん。
- 二幕、コウイチのいない、インペリアルガーデンシアターのショーでも内君を支える大きな柱として舞台で目端をきかせるコントローラー。
- コウイチの死を知って取り乱す内君の見守り方
ライバル役に対し、友ではなく兄の立ち位置なった文ちゃん。カンパニーの一員としても文ちゃんの成長には目覚ましいものがあります。
カンパニーの中で、メンバーに頼りながら生きる内君の弱さこそが内君の魅力としていかされています。もはや手を差し伸べたくなるほどのいとおしさ。内君と屋良君のどちらがいいということではなく、弱いライバルだからこそ、生まれるショーへの向き合い方があります。カンパニーが助け合って大きくなっていくエネルギーを感じました。
帰ってきたあいつら!たっつんとコッシーの成長していく存在感
もう一つ今回のSHOCKを鮮やかな舞台にしてくれたのはなんといってもあいつら!
ふぉ~ゆ~、たっつんとコッシーの存在です。
長きにわたり、SHOCKを支え続けているふぉ~ゆ~兄さん達ですが、今回は、より一層その存在感を大きくしています。
芸としての進化を遂げたバックとしての力量
光一さんのフライングにフッキング&キャッチをするコシタツ。安定の職人Jr.として仕事をこなしていますが、安全性をキチンと確保したうえで、そのキャッチの美しさがアップしています。
今回、初めて博多座SHOCKを観て感じたのですが、博多座と帝劇では光一さんのフライングの位置がかなり異なります。相当客席近くを滑るように翔ぶ光一さん。しかも思った以上に勢いよく客席スレスレに飛んでいるので、キャッチするほうもかなりの力を使って止めつつ、キャッチしなければなりません。そこでのコシタツのキャッチの華麗さ。もはやこれが一つの振りになっているのではないかと思わせるような、パフォーマンスとして成立しています。長年のスキルに美しさを付加しながら進化し続けています。
二番手としてのふぉ~ゆ~。光一さんとの最高バランスをまたもや更新
踊りのうまさは言うまでもありませんが、踊りのキレ、表情に自信があふれています。GACHIの前と後では大きくふぉ~ゆ~が変わったのではないかと改めて感じます。それほどにふぉ~ゆ~にとってのGACHIは大きな節目となる作品だったと言えるでしょう。
SHOCKの世界観、コシタツとコウイチの関係性についてもより深い解釈が生まれています。会話の中にある間(これはセリフでなく)や言葉にならないリアクションといった細部にコシタツの魂が宿っています。
また、パフォーマンスでも光一さんの前に出ることは決してないのに、端々の仕草にセクシーさがちりばめられています。一幕『SOLITARY』で帽子から除く不敵な笑みを浮かべるたっつんに撃ち抜かれました。いや、After “GACHI”のふぉ~ゆ~想像以上に破壊力あります。
11月にはGACHIの博多座公演もあるんですよね。このEndless SHOCKを経験してまた進化を遂げるであろうGACHI気になります。うう~行きたい。
本日の独り言
- 松倉海斗君と松田元太君の松松コンビは安定してかわいい。千穐楽の後『Yes, My Dream』で大きな箱の上にチョコンとのっている松松に割って入ってくる内君とのかわいさ対決。ごめん、内君。やっぱり松松無敵にかわいいわ。
- 二幕でコウイチに「元気か?寺西」と言われた寺西君が「当たりまえだのクラッカー」って言ってたんだけど、そのセリフはのど自慢に出ていた誰かから教わったの?
作品データ
タイトル |
Endless SHOCK(1500回達成記念公演) |
製作年 |
2017年 |
会場 |
09/08~09/30 梅田芸術劇場メインホール 10/8~10/31博多座 |
上映時間 |
3時間10分(途中休憩30分有) |
脚本・演出 |
ジャニー喜多川 |
出演 |
堂本光一 内博貴 辰巳雄大 越岡裕貴 浜中文一 寺西拓人 松田元太 松倉海斗 松浦雅 石川直 前田美波里 |